台風25号 河川氾濫まとめ|印旛沼堤防決壊・高崎川氾濫・死者10人【9月24日更新】
このページでわかること
- 2026年9月21日〜23日、台風25号の接近・通過にともなって発表された河川の洪水予報・被害情報を時系列でまとめた記録です(9月24日更新)
- 台風25号は中心気圧960hPa・最大瞬間風速55m/sの「大型で強い」勢力で関東の東海上を通過し、9月22日21時に温帯低気圧に変化
- 千葉県:印旛沼の堤防が2か所(各約100m)決壊(1968年の観測開始以来初)、佐倉市では高崎川が氾濫し住宅被害約600棟
- 茨城県の桜川、埼玉県の新方川に氾濫警報、千葉県の小糸川・養老川に氾濫発生情報(レベル5相当)
- 国土交通省の発表(9月23日時点)で千葉・神奈川両県の死者は10人、行方不明者は4人
- いま現在の全国の発表状況は下のライブパネルと今日の河川水位・洪水情報まとめで確認できます
9月21日 台風25号の勢力と進路
2026年9月21日、「大型で強い」勢力の台風25号が本州の南岸を東寄りに進み、関東の東海上を北東へ通過しました。気象庁の18時45分発表によると、台風の中心は千葉県銚子市の南南東約100kmにあり、中心気圧960hPa、中心付近の最大風速40m/s、最大瞬間風速55m/sの勢力を保ったまま、北東へ毎時40kmで進みました。以下は気象庁の発表(速報値)をもとにまとめた記録で、数値・時刻は後から訂正される場合があります。
台風25号の実況(9月21日18時45分 気象庁発表)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大きさ・強さ | 大型で強い台風 |
| 中心位置 | 銚子市の南南東 約100km |
| 中心気圧 | 960hPa |
| 最大風速 | 40m/s(中心付近) |
| 最大瞬間風速 | 55m/s |
| 進行方向・速さ | 北東へ 毎時40km |
| 暴風域 | 中心から半径185km |
| 強風域 | 東側650km/西側440km |
その後の経過
気象庁の発表によると、台風25号は9月22日21時、日本のはるか東で温帯低気圧に変わりました。19日〜21日の総雨量は伊豆諸島で800mm、静岡県で500mm、千葉県で450mmを超え、関東甲信地方では21日の24時間降水量が観測史上1位・9月の観測史上1位を更新する地点が相次ぎました。台風本体が温帯低気圧に変わったあとも、記録的な大雨でゆるんだ地盤や増水した河川の被害はその後3日間にわたって拡大し、9月23日になって印旛沼の堤防決壊など最も大きな被害が明らかになっています。
台風の現在位置と進路の最新情報は、姉妹サイトの cocotaifu(台風リアルタイム進路予報) でも確認できます。
関東を中心とした河川の状況
台風本体の雨と、台風に流れ込む湿った空気の影響で、関東地方の中小河川を中心に水位が上昇し、千葉県では複数の河川が実際に氾濫しました。国土交通省の発表(9月23日6時時点)によると、千葉県管理の5河川で浸水が確認されています。
台風25号の記録的な大雨で、佐倉市では24時間降水量322mmと観測史上1位を記録。利根川水系の高崎川が氾濫し、広範囲が浸水しました。住宅被害は約600棟に拡大しています。
9月23日、印旛沼で観測史上最高の水位を記録し、堤防が幅約100mにわたり2か所で決壊。成田市大竹地区などで住宅の浸水被害が発生し、県警のボートによる住民救助も行われました。周辺では約100人が避難所へ避難しています。
氾濫発生情報(レベル5相当)が発表された河川
| 発表日時 | 河川 | 発表 | 対象 |
|---|---|---|---|
| 9/21 | 小糸川 | レベル5 氾濫発生情報 | 千葉県(カメラ映像により氾濫確認) |
| 9/23 06:00時点 | 養老川 | レベル5 氾濫発生情報 | 千葉県(氾濫のおそれ、詳細確認中) |
氾濫警報(レベル3相当)が発表された河川
| 発表時刻 | 河川 | 発表 | 対象 |
|---|---|---|---|
| 09:00 | 利根川水系 桜川 | レベル3 氾濫警報 | 茨城県(水戸地方気象台) |
| 10:35 | 新方川 | レベル3 氾濫警報 | 埼玉県(熊谷地方気象台) |
氾濫警報(警戒レベル3相当)は、避難に時間がかかる高齢者などが避難を始める段階です。川沿いの低い土地や浸水想定区域にお住まいの方は、市区町村の避難情報を確認し、避難の準備を整えてください。
氾濫注意報(レベル2相当)が発表された河川
| 発表時刻 | 河川 | 発表 | 対象 |
|---|---|---|---|
| 07:30 | 小貝川上流部 | レベル2 氾濫注意報 | 栃木県(宇都宮地方気象台) |
| 15:10 | 小貝川 | レベル2 氾濫注意報 | 茨城県・栃木県(下館河川事務所) |
| 17:20 | 中川 | レベル2 氾濫注意報 | 埼玉県ほか(江戸川河川事務所) |
氾濫注意報(レベル2相当)は、避難の準備を始める前の段階として、避難先・経路・持ち出し品を確認しておく目安です。
解除された河川
| 解除時刻 | 河川 | 内容 | 対象 |
|---|---|---|---|
| 18:30 | 狩野川 | レベル2 氾濫注意報 解除 | 静岡県(沼津河川国道事務所) |
| 19:30 | 善福寺川 | レベル2 氾濫注意報 解除 | 東京都 |
各県の詳しい状況は 千葉県の河川水位・洪水情報、茨城県の河川水位・洪水情報、埼玉県の河川水位・洪水情報、地図は 全国の氾濫・洪水マップ、ライブ映像は 河川ライブカメラ で確認できます。
被害の拡大(9月22日〜23日)
台風25号は9月22日21時に温帯低気圧へ変わりましたが、記録的な大雨で増水した河川や緩んだ地盤による被害は、その後の2日間でさらに拡大しました。国土交通省の発表と報道をもとに、9月23日時点でわかっている被害状況をまとめます。
人的被害・住宅被害
| 都道府県 | 死者 | 行方不明 | 負傷者 | 住宅被害 |
|---|---|---|---|---|
| 千葉県 | 4名 | 2名 | 1名 | 全壊14戸・半壊1戸・一部損壊3戸(土砂災害分)+高崎川氾濫等で約600棟 |
| 神奈川県 | 2名 | 3名 | 1名 | 全壊2戸・一部損壊1戸 |
| 宮崎県 | 1名 | ― | 1名 | 半壊1戸 |
※国土交通省「第7報」(9月23日9時発表・河川被害等は9月23日7時時点)による都道府県別の内訳。
その後、報道各社によると9月23日中に千葉県で新たな死亡が確認され、千葉県・神奈川県2県の死者は合計10人、行方不明者は合計4人(千葉県2人、神奈川県2人)に達したと報じられています。自衛隊・消防による捜索が続いています。土砂災害の件数は千葉県48件、神奈川県10件、東京都・宮崎県で各2件、福島県で1件確認されています(9月23日7時時点)。
断水・鉄道への影響
- 断水:千葉県内7市2町で最大約4,560戸が断水し、9月23日7時時点でも君津市(約1,990戸)・鴨川市(約350戸)・市原市(948戸)・南房総市(約530戸)・鋸南町(約120戸)など約3,940戸で断水が継続。応急給水を実施中です。
- 鉄道:JR内房線・久留里線・外房線・総武線・成田線、小湊鉄道などで盛土崩壊・道床流出等の被害が発生し、一部区間で運転見合わせが続いています(復旧に1週間以上かかる見込みの区間あり)。
- 道路:千葉県管理道路で法面崩落35区間・路面冠水33区間など78区間が通行止め。県管理道路上の被災車両は約100台にのぼります。
現在の全国の河川・洪水状況(参考・自動更新)
下のパネルは、いまこのページを開いている時点の全国の指定河川洪水予報を表示します(台風25号の記録とは別に、常に最新の状況を示します)。
気象庁「指定河川洪水予報」を約90秒ごとに取得し、氾濫注意情報以上が発表されている河川を集計しています。中小河川の水位計・カメラは各都道府県の水防災情報システム、面的な危険度はキキクル(危険度分布)で確認してください。数値・発表は速報値です。
▶ 地図で見たい場合は 全国の氾濫・洪水マップ、警報の一覧は 全国の洪水警報・氾濫情報、都道府県ごとの詳細は トップページの都道府県別リンク からどうぞ。
洪水予報の4段階と警戒レベル
大きな川(指定河川)では、水位の上がり方に応じて氾濫注意情報 → 氾濫警戒情報 → 氾濫危険情報 → 氾濫発生情報の順に情報が発表されます。それぞれが市区町村の出す避難情報の警戒レベルに対応しています。
| 警戒レベル | 河川の情報 | とるべき行動 |
|---|---|---|
| レベル5相当 | 氾濫発生情報 | すでに氾濫が発生。緊急安全確保。命を守る最善の行動を |
| レベル4相当 | 氾濫危険情報 | いつ氾濫してもおかしくない水位。危険な場所から全員避難 |
| レベル3相当 | 氾濫警戒情報 | 高齢者等避難。ほかの人も避難の準備・自主避難の検討 |
| レベル2相当 | 氾濫注意情報 | 避難先・経路・持ち出し品を確認 |
用語の詳細は氾濫発生情報とは(洪水予報4段階)、警戒レベルとは、氾濫危険水位とはで解説しています。
情報が出たらとる行動
上のパネルに自分の地域の河川が出ているときは、レベルに応じて次のように動きます。レベル4(氾濫危険情報)を待たず、レベル3の時点で避難の準備を始めるのが安全です。
- 氾濫警戒情報(レベル3相当):避難の準備。高齢者・子ども・体の不自由な人がいる家庭は、この段階で避難を開始します。ハザードマップで自宅の浸水想定と避難先を再確認。
- 氾濫危険情報(レベル4相当):全員避難。その川の近く・浸水想定区域にいる人は、市区町村の避難指示を待たずに、川と反対方向の安全な場所へ移動を完了させます。
- すでに外が危険なとき:垂直避難。道路が冠水した/暗い/猛烈な風雨、という状況では無理に外へ出ず、頑丈な建物の高い階、川と反対側の部屋へ。
- 地下・アンダーパスから離れる。地下室・地下駐車場・地下街・地下鉄出入口は水が一気に流れ込みます。車でのアンダーパス通過も避けてください。
- 情報を取り続ける。市区町村の避難情報、河川の情報、キキクルを確認。スマホの充電を確保します。
川があふれる前に起きること(内水氾濫)
「近くの川はあふれていないから大丈夫」とは限りません。短時間の強い雨では、下水道や排水路が雨をさばききれず、川があふれる前に道路・低地・地下が冠水する内水氾濫が先に起こります。都市部ほどこの被害が大きくなりやすい特徴があります。
- アンダーパス、立体交差の下、半地下の駐車場は、周囲より低いため水がたまりやすく、短時間で車が水没する深さになります。
- マンションの地下電気室が浸水すると、停電・断水・エレベーター停止が長期間続くことがあります。
- マンホールや側溝から水が噴き出しているのは、下水道が満杯になっているサインです。
内水氾濫の詳細は内水氾濫とは、道路の冠水については道路冠水・アンダーパスの危険にまとめています。ハザードマップで内水(雨水出水)のリスクもあわせて確認してください(見方)。
河川水位をリアルタイムで確認する方法
ひとつの情報源に頼らず、「大きな川の水位」「中小河川」「面的な危険度」「市区町村の避難情報」を組み合わせて見ます。
| 手段 | わかること | 使い方 |
|---|---|---|
| cococha(このサイト) | 全国の指定河川の現在の警戒レベル・都道府県別の状況 | このページ上部のパネルで自動更新。全国マップ、各都道府県ページも活用 |
| 川の防災情報(国土交通省) | 国管理区間の水位・カメラ・洪水予報 | スマホ版をホーム画面に追加しておくと早い(スマホでの見方) |
| 各都道府県の水防災情報システム | 都道府県が管理する中小河川の水位・雨量・ライブカメラ | 「(都道府県名) 水防災 総合情報」で検索 |
| キキクル(気象庁) | 土砂・浸水・洪水の危険度を地図で色分け(黄→赤→紫→黒) | 「キキクル」で検索。紫になったら避難(見方) |
| 市区町村の防災情報 | 高齢者等避難・避難指示・緊急安全確保、開設中の避難所 | お住まいの市区町村の公式サイト・防災アプリ・防災メール・X |
確認手順の全体像は水位をリアルタイムで確認する方法にまとめています。
全国の過去の主な水害
- 2018年7月 西日本豪雨(平成30年7月豪雨):岡山県倉敷市真備で小田川などが決壊、広島・愛媛でも土砂災害が多発し、全国で200人を超える死者・行方不明者が出た。
- 2019年10月 台風19号(令和元年東日本台風):長野の千曲川、福島・宮城の阿武隈川、多摩川など東日本の多くの河川が氾濫。堤防決壊は7県71河川140か所に及んだ。
- 2020年7月 豪雨(令和2年7月豪雨):熊本県の球磨川が広範囲で氾濫し人吉市などが浸水、大分・福岡・岐阜・長野でも河川氾濫が相次いだ。
- 2021年8月・2023年6〜7月:前線の停滞による大雨で、佐賀・福岡・広島・秋田・富山などで河川氾濫と内水氾濫が発生。
- 2024年9月 能登半島豪雨:元日の地震で被災した石川県輪島市・珠洲市で河川が氾濫し、仮設住宅も浸水した。
いずれも「これまで浸水しなかった場所」で被害が出ているのが共通点です。過去の実績は安全の根拠になりません。自宅と職場・学校の浸水想定を、雨が降る前に確認しておいてください。避難のタイミングを時系列で決めるマイ・タイムラインも有効です。