「近くの川が氾濫したらしいけど、実際どうなっているのか分からない」——大雨のさなか、もっとも知りたいのに、もっとも手に入りにくいのが現地の状況です。このページでは、氾濫の被害状況・浸水状況をスマートフォンから確認する現実的な手順と、情報の限界、そしてデマに振り回されないための見分け方をまとめます。まずは全国河川のリアルタイム水位で対象の川の警戒レベルを確認してください。
確認手順(優先順位が高い順)
① 気象庁の氾濫発生情報・洪水予報を見る
「氾濫した/していない」の公式判定は、気象庁と河川管理者が共同で発表する指定河川洪水予報です。氾濫発生情報(警戒レベル5相当)が出ていれば、その川のどこかで実際に水があふれています。本サイトはこのデータを数分間隔で表示しています。
② 自治体の避難情報を確認する
避難指示・緊急安全確保がどの地区に出ているかが、被害範囲を推定するもっとも実用的な手がかりです。市区町村の公式サイト・防災アプリ・防災行政無線を確認してください。地区名まで指定されているので、自宅や家族の家が該当するか判断できます。
③ 河川監視カメラで現地の映像を見る
国管理区間は国土交通省、県管理区間は各都道府県の河川情報システムでカメラ映像が公開されています。探し方は都道府県の河川情報システム・監視カメラ一覧にまとめました。ただし夜間・豪雨時はほとんど見えないこと、カメラは数kmおきにしかないことに注意してください。
④ 報道・SNSは「裏取り」してから信じる
速報性ではSNSが最も早い一方、古い水害の映像が再投稿される、別の川の映像が使われる、といったことが毎回起こります。判断材料にするのは、位置と時刻が特定できる情報だけにしてください。
「リアルタイムの浸水状況」はどこまで分かるのか
期待と現実のギャップが大きいところなので、正直に整理します。
- 河川の水位・警戒レベル…数分〜10分間隔で分かる。もっとも信頼できる。
- 氾濫の発生/未発生…氾濫発生情報として発表される。ただし発表まで多少のタイムラグがある。
- 道路の冠水…自治体が冠水情報や通行止め情報を出す場合があるが、網羅性は低い。道路冠水・アンダーパスの危険も参照。
- 個々の住宅の浸水深…リアルタイムでは分からない。事後に自治体が調査して公表する。
- 浸水範囲の全体像…国土地理院などが空中写真・衛星画像をもとに浸水推定図を作成するが、公表は発災の数時間〜翌日以降になる。
つまり「今この瞬間の自宅周辺の浸水状況」を外から正確に知る手段は事実上ないのが実情です。だからこそ、事前にハザードマップで想定浸水深を把握しておくことが、リアルタイム情報の不足を補う唯一の方法になります。
氾濫の通知を受け取る設定
緊急速報メール(自動・設定不要)
避難指示や氾濫危険情報など、命にかかわる情報は携帯電話に自動で届きます。マナーモードでも鳴りますが、設定でオフにしている場合は必ずオンに戻しておいてください。
自治体の防災メール・防災アプリ(要登録)
緊急速報メールより細かい粒度で、避難所の開設状況や地区ごとの情報が届きます。多くの市区町村が無料で提供しています。「市区町村名+防災メール」で登録できます。
スマホでの確認をすぐできるようにしておく
大雨のピーク時は公式サイトが重くなります。本サイトのような軽量ページと、国土交通省「川の防災情報」のスマートフォン版をあらかじめホーム画面に追加しておくと、慌てずに済みます。手順は水位・洪水情報をリアルタイム確認する方法で解説しています。
停電に備える
スマホが唯一の情報源になるため、モバイルバッテリーは必須です。停電・断水時の備えと対処法もご覧ください。
やってはいけないこと
川や田んぼ、用水路の様子を見に行く
水害の犠牲者には、様子を見に行った際の転落が毎年含まれます。冠水した道路では側溝・マンホールとの境目が見えず、水深30cm程度でも大人が流されます。車も同様で、水深30cmでエンジンが止まり、ドアは水圧で開かなくなります(車が冠水したときの対処)。
「まだ避難指示が出ていないから大丈夫」と考える
中小河川は水位の上昇が急で、自治体の発表が間に合わないことがあります。氾濫危険水位に近づいていれば、指示を待たず避難を始めてください。
未確認の情報を拡散する
「◯◯川が決壊した」という未確認情報が広がると、本当に必要な人への情報が届きにくくなります。公式発表を確認してから共有してください。